距離〜佐山からの視点 3 …と、愉快な仲間たち〜-4
「ふーっ…。ねぇ、目茶苦茶顔赤いけど、大丈夫?」
「だっ、だいじょーぶ!」
「なら良いんだけど。あ、じゃあ俺のことも“くん”付けないで呼んでよねー」
「えっ…あ…うん。よろしくね、剛…」
「おぅ」
いつもの携帯灰皿でタバコを揉み消す。
見慣れたはずなのに、いつもと違って見えるのはどうして?
「………」
「………ね、膝貸して」
「えっ…あっ、ちょっと…」
いきなりの膝枕なんて…鼻血出そう…。
でも、こうやって甘えてくるなんて…意外だし嬉しいな…。
足にかかる剛の頭の重さが心地良い…。
「ね、幸。俺ね、ずっと好きだったんだわー。一年の時からクラス一緒になってさ、俺から声掛けていったじゃん?あれ、一目惚れしたからなんだよね」
「……うん」
「ずっと好きでさ。でも途中俺に彼女出来てさ、あの時さ、幸が俺のことどう思ってるか分からんかったからさ、それもあって千華と付き合い始めたんだ。でもさ、ずっと後悔してたんだよ。幸に告白すればよかったって」
「………うん」
「でさ、すげー遠回りしたけど、やっと告白出来たんだ。ほんとさ、良かったよ、付き合うことになれて。これからさ、ずっと一緒にいて。たくさんデートしてさ、一緒にダンスしたりさ、たくさんキスとかエッチしようよ」
「………もう…バカ…」
「…幸、泣いてます?頬が冷たいよ…」
気付かないうちに私は涙を流しては、剛の横顔に雫を落としていた。
頬が濡れている…。