距離〜佐山からの視点 3 …と、愉快な仲間たち〜-3
「……ヤダ」
「…っえ?」
「ヤなの!」
「うわっ…バッサリ斬られたよ…」
「じゃなくて、なんでもっとこう…ダンスとかやってる時みたいに格好良くキメてくれないのよ!バカ!お前男だろ!」
「う……なんだ急にキレて…。…じゃああれだ…あの……」
両手で肩を掴まれて、真っ直ぐ見つめられた…。
「……俺さ、佐山さんが好きなんだ。前から、ずっと。千華と付き合う前からね。でさ、この前千華と別れたばっかりでさ、すぐ告白なんて良くないかもしれないけど…それでもちゃんと千華とは話し合ってキッパリ終われたし、やっぱり佐山さんが好きなんだよ、俺。だから、佐山さんさえ良ければ、俺と付き合ってください」
「…………」
「…………」
「…………」
だからってそんなハッキリと述べられても…。
凄い恥ずかしい…。
「……えっ?シカト?俺の話聞いてた…?」
「恥ずかしいの…」
「えっ?」
「恥ずかしいの!そんなにハッキリ言われたら……」
「ハッキリ言ったら今度はそれかよ!俺だって恥ずかしいわぃ……」
「…………」
「…………」
「…………よろしくお願いします…」
「…………えっ?」
「……だ、だからー…私なんかで良ければ…よろしくお願いします…」
「…あ、マジ?やったー…。俺なりにすっげー不安だったからさ。…ちょ…タバコ吸わせて…。あ、佐山さんもいかが?」
「いらないよ!もぅ…。あ、あのさ…」
「ん?」
佐山さん、って…ヤだな…。
「せ、せっかくだからさ、あの…名前で呼んでくれない…?」
「…あぁ、幸」
っつ…。
何故にそんなさらりと…。
目茶苦茶恥ずかしい…。