SEXの条件・学級委員長 川崎静奈 @-2
―――どうでもいいからさっさと挿れてさっさと終わってよ!
相手なんか誰でもいい。
私は、ただ処女を捨てたいだけなのだ。
私はまるで冷凍マグロになったみたいに身体を硬直させ、嵐が過ぎ去ることだけを切に願っていた。
男の指が亀裂の奥に侵入して来た。
「……んっ…んぐっ……」
声をこらえすぎて、鼻から奇妙な吐息が漏れてしまう。
下半身を襲う不快な摩擦感に、私は思わずあごを反らせた。
実は以前、処女喪失の痛みを少しでも知ろうとして、何度か自分で指を入れてみたことがある。
しかし今初めて入れられた異性の太い指は、自分の指を入れた時とは全く違うピリピリとした嫌な刺激と圧迫感があった。
私の内部の感触を楽しむように、男が指を抜き挿しする。
その卑猥な動きにつられるように、膣壁が勝手に収縮して男の指をぐいぐいと締め付けた。
「そんなに締めたら痛いぜ……力抜けよ……」
男が私の肉芽をおもちゃみたいに弄びながら、気味の悪い猫撫で声を出す。
「……わ…わかってるっ……」
びびっているのは完全にばれていると思う。
それでも私は精一杯虚勢を張った。
――そうでもしなければ、今すぐ大声をあげて泣いてしまいそうだ。
薄目を開けて、覆いかぶさってくる男の顔を見ると、安っぽいピンクの照明に照らされている金髪頭が、まるで夕日を浴びたライオンのたてがみのように見えた。
……そうだ……私は今からライオンに喰われるんだ。
だからこんな格好で身体中舐め回されてるんだ。
そう思ったら少し気が紛れた。
出会ったばかりの、好きでもない男に大事な処女を捧げるのだと自覚するより、サバンナで運悪く出会ってしまったライオンに喰われて死ぬのだと思いこむほうがずいぶん気が楽だ。
「――マジでヤっちゃうよ?後悔しない?」
男が私の両足を持ち上げながらくどくどと聞いてくる。
出会ったばかりの自分が本当に処女をもらっていいのか――このケダモノにも一応そういう躊躇らしきものはあるらしい。
もっとも、ここで私が「やっぱりダメ」と言ったところで、果たして許してもらえるかどうかはわからないが。