Wait For You〜Y.Side Part2〜-1
〜〜♪
携帯のアラームが鳴り響いている。
久しぶりに携帯のアラームで目が覚めた僕。
久しぶりだと感じるのは普段ならアラームより先に彼女が起こしてくれてたからなのだろう。
部屋は静かで、朝ご飯もなければおはようと笑いかけてくれる人もいない。
僕はまだ回転が鈍い頭で二つ折りの携帯を開いた。
着信もメールも無し。
抱いていた淡い期待は虚しく裏切らて、彼女からの何らかの連絡を期待していた自分が惨めに思えた。
紹介が遅れたけど僕の“元”彼女の名前は“雪乃夏稀(ゆきのなつき)”。
雪なんだか夏なんだか分からない彼女の名前はこの先どんなことがあっても忘れることはないだろう。
セミロングの綺麗な黒髪にアーモンド形の大きな瞳。
大人しそうに見えて本当は明るく行動派な性格のギャップが正に雪と夏をイメージさせる。
そしてそんな彼女の“恋人だった”僕の名前は…『木下翼(きのしたよく)』
周りの人間は僕をつばさと呼ぶ。
本当は“よく”なんだけども…
そっちのが呼びやすいらしい。
そんな僕の名前を唯一、彼女…夏稀だけがありのまま呼んでくれていた。
今日は土曜日で仕事はないが何もする気にはなれない。
もう一回寝ようとそう思った時だった。
〜〜♪
突然、鳴り響く着信音。
まさかと慌てて表示に目をやる。
そこに表示されてたのは彼女の名前ではなく“加々見さん”の文字。
なんだ…。
と心の中でうなだれる。
でもなんでまたこの人が…。
そう心の中で呟きながらも受話器ボタンを押す。
『ハ…』
『ハイじゃないわよ!!』
僕の返事が言い終わらないうちに彼女の怒鳴り声が鼓膜に響き渡る。
まるで頭の上で除夜の鐘でも鳴らされたような振動が耳から脳へと響く。
電話の主は加々見由佳(かがみゆか)二十…まる歳。