距離〜佐山と剛〜-2
「………それで?」
「俺も謝る以外出来なくてさ。それで協議の結果お別れよ。ただ最後は笑って話せたし、友達付き合いは続くわけで」
「そうなんだ…」
「そう。あ、これINって書いてあるとこに挿して。で、これはOUTのとこ」
「こことここ?」
「そうそう。で、そことこっちを繋いで」
「こう?」
「そうそう。そしたらこれとこれとこの電源プラグ挿して。あとこれも」
「ここでいいの?」
「そうそう」
「いよっ…と」
「ありがとー。そしたら完成だよ」
「おーっ!やったねー!」
「ん。ありがと」
「おーい剛くんよ!」
「あ、美沙っち」
「出来たのかー?」
「お陰さんで、調度今終わりましたー」
「ならさ、何か曲かけてよー。作業中だし、テンションあがりそうなやつー」
「あーはいはい。了解っす」
「ではよろしくーぅ!あ、おいそこの男子ー!……」
「凄いね、美沙…」
「あぁ…。さて、じゃぁ何流そうかなーっと。えーっと…」
「このレコードは全部ヒップホップ?」
「うん。CDは色んなジャンル持ってるけど、アナログはヒップホップが殆どだね」
「そうなんだ」
「よしっ、これにするか。…………よっと…」
〜♪
「あ、これ知ってる。私CDで借りたよね?この曲好きなんだよー」
「…貸したっけ?」
「借りたよーっ。もうっ。全然覚えてないんだねっ」
「そんなこと無いぞー」
「じゃぁ私が一番最初に剛くんに借りたCDは?」
「…………なんでしたっけ…」