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距離〜佐山から見た視点〜
【青春 恋愛小説】

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距離〜順平と剛〜-3

「んなもん只の言い訳だろ…」

「いや、でさ、まだ続きがあんだよ」

「は?」

「“剛が私じゃなくて他の人のこと見てる気がして…”だって」

「それって…」

「まぁそうだろ。俺が佐山さん云々で悶々としてたの、気付いてたんだろうな。女の勘ってやつか」

「………で?」

「私の事見てほしくて、誰かとこうなれば気付いてくれるかもしれないと思って、寂しかったのもあって、つい…みたいなー」

「全部自白したわけだ」

「おう」

「で?」

「いやーもう何も言えないっすよ。結局俺の責任でもあるし」

「そうかー?」

「そうだろ。だって、言われるまで千華の気持ちに気付いてやれてなかったわけだし。それは彼氏として、失格だろ」

「んー……」

「俺は一年以上千華と一緒にいながら、見てあげてなかったんだなーと。今までのヤキモチとかもそういう意味があったのかーと。なんか違う意味でへこんだわ。俺と千華の距離、近いようで遠かったんだわ」

「でもそれはさ、もともと剛は幸ちゃん…」

「言うなよ…。それでも結果として千華と付き合う選択をしたのは俺だし。これはお前がこの前俺に言ったろ?」

「あぁ…」

「ならその時点で俺には千華の彼氏として全うする責任が出来た訳だ」

「………」

「だけど放棄してた…と。なんか本当申し訳ねぇよ…」

「………で、この先どうすんのよ」

「ん………もう別れた」

「えっ!?マジっ!?」

「おう」

「………マジか〜…」

「フラれた」

「はっ!?」

「いやーだから、俺が、フラれたの」

「はっ!?なんで!?えっ!?逆だろ!!」

「あーもうめんどくせーやつだなーお前は…。これでも俺だって多少傷付いてんだぞ…。っておい、もう休憩終わり。タバコ消せっ。教室戻らねーと」

「えっ!?あっ、ほんとだ!…でも、えっ!?」

「あーもう黙らっしゃい!ほら、もう先に教室戻るぞー」

「ちょ待った…。えー!?すげー途中じゃーん!!」




文化祭は、もうすぐ…。


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