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距離〜佐山から見た視点〜
【青春 恋愛小説】

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距離〜千華からの視点 2 …時々進と義明〜-1

部活の後、放課後。
教室の前の廊下で。




「ねぇ、千華さん」

「あっ………悠斗…」

「部活終わったの?」

「あ、うん。ついさっきね」

「ちょうど今俺も部活終わったんだけどさ、今日も一緒に帰らない?どうせ剛くんはまだ文化祭の話し合いとかで忙しいんでしょ?」

「…………」

「ね、いいじゃん。この前だって多分誰にも見られてないし」



つい最近、急に仲良くなった。
サッカー部で、背は低いけど人懐っこい笑顔がかわいいやつ。
で、この前帰りに誘われた。


何時もなら剛のこともあってあっさり断るんだけど…どういうわけか…。



「……だけど…別に私は悠斗と付き合ってなんかないし…そもそも私は剛と…」

「付き合ってるって?じゃぁこの前泣きながら俺に剛くんのこと話してきたのはなんで?」

「それは……」



文化祭でダンスサークルのショーにあの女が一緒に出るって聞いたから…。
それを許可した部長の順平くんにも腹が立ったし…。
それに最近剛も部活と文化祭の話し合いで忙しくて構って貰えないから…。



「ねぇ、意地を張るのは良くないよ」

「そんなこと…」

「それにさ、俺だったら千華さんをこんな独りになんかしない。剛くんはさ、千華さんの魅力を全然分かってないよ」

「今年から同じクラスになったくせに、分かったような事言わないで…」

「でも俺には千華さんの気持ち、分かるよ。読めるっていうか」

「…………」

「寂しいんじゃないの?振り向いて貰えなくて、見てもらえなくて。疲れてるんでしょ?」

「…………」



確かに、否定は出来ない。
明らかに私の方が焦り過ぎて、なのに剛は飄々としてるし…。
それに最近ますますあの女と剛が…。


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