由里子と先生-2
【やだ…何でこんな展開なの?もう頭が混乱してきちゃった…でも先生にスキって言われて、イヤな気持ちはしてない…なんだろう?不思議な感じ…】
「私…なんて言っていいか…」
『ごめんな由里子…ビックリしただろ…いいんだよ、分かりきってることなんだから…だだな、さっきの罰ゲームって言うのは…俺と一回だけキスしてくれないかなぁ…って 気持ちの整理付けたいって言うかさぁ?ケジメ付けたい…男ってやっかい
「先生っ…もう謝らなくていいよ…一度だけ、一度だけなら…由里子、先生とキスしてもいい…」
【ヤダ!由里子ったら何言ってるの?先生とキスなんて、ダメに決まってる!でも、先生のキスってどんなんだろうって想像したら、またドキドキしてきちゃった!】
『由里子…本当にいいの?』
【わぁ、いつになく真剣な先生の顔!授業で見せる厳しい顔とは違う…切なそうで、困った表情の先生もちょっといいかも…これが由里子しか知らない、先生の男の顔? 由里子、先生の腕に抱かれてみたい…】
「うん…いいよ」
少年のように一瞬はにかんだ佐々を見て、由里子の母性に火が点いたのか、この人になら…と決心が付いた
『由里子、こっちにおいで…』
佐々のひざの上に足を揃えたまま横向きに抱えられる由里子 腰から上だけが向かい合う形になった…ほどよく筋肉で引き締まった両腕にそっと抱かれる…由里子は肩までのふわふわにカールした髪を優しく撫でられ、佐々の寄せてくれた好意を心地良く味わった… いつも由里子が接している、クラスの男子生徒とは違う、佐々の大人っぼく優しい瞳に見つめられ、由里子は恥ずかしさに頬が赤くなるのを感じながら、あわてて目を閉じた 由里子の震える唇に、佐々の唇が軽く触れた… やっぱりイヤじゃない… それどころか、どこか遠慮気味で物足りない佐々のキスに、かえって由里子の気持ちの方が高まり、自分から佐々の唇を求めてしまった あたたかい、先生の唇… 今度はしっかりと唇と唇が触れ合い重なり合う…これが大人のするキスなんだ…佐々のキスに酔いかけた瞬間、ふいに抱かれた腕がほどかれ、肩を離された…
「あっ…」
『由里子、これ以上はダメだ!俺今すごく自分と戦ってる…このままだと、お前を傷つけてしまいそうで恐い…』
【先生…私どおしたらいい?この気持ち抑えるの、由里子だってツライよ…由里子だって先生のことがスキ!】
「由里子、先生とだったら…」