心霊ファイル…怨み2-1
杏里は次の日も…
その又、次の日も柳沢家に足を運ぶけれど…
仁美さんは全く取り合ってくれなかった。
仁美さんの態度…
異常としか言いようがなかった。
杏里に向ける仁美さんの憎悪の視線。
そんな仁美さんを真澄さんは複雑な思いで見ているし…
歩美さんは申し訳なさそうな表情で杏里を見ていた。
杏里は諦めない。
5日ぐらい間を置いて、私を連れて再び柳沢家を訪れた。
この時も、仁美さんが応対してくれた。
杏里は丁寧な挨拶をした後、ルリ子さんの様子を尋ねた。
「お母さんの様子は、如何ですか?」
「ウチの母の様子?
そうネェ…」
仁美さんは何を血迷ったのか!
ドアの隅に隠して置いていたバケツの水を、杏里に勢い良くブッかけてしまった!
思いがけない仕打ちに私は悲鳴上げた。
杏里は怒りを抑えたまま立ち尽くすばかり。
今朝下ろしたばっかりの洋服がびっしょり濡れてしまった。
「ちょっと、何すんのよッ!?」と、怒鳴った私。
くってかかろうとした時、杏里にサッと制止された。
仁美さんは冷たい表情で言った。
「私たち今、忙しいの。 帰ってくれない?」
「仁美さんッ!」
「帰れッ!!」
うわ、凄い剣幕!
「…」
杏里は何も言わず、屋敷を後にした。
私は歯がゆい思いで仕方ないけど…
杏里ってすっごく冷静で表情1つ変えないの。