心霊ファイル…怨み2-5
弾みで倒れ込む杏里。
ゆっくりと立ち上がった時、仁美さんは狂ったように暴行し続ける。
口から血を出した杏里は足がもつれて転倒!
その勢いで傍らの柱に頭をぶつけてしまった!
頭を押さえ顔をしかめる杏里。
慌てて駆け寄った私は杏里を抱きかかえた。
「何すんのよッ!?」
仁美さんは目を剥き出して答える。
「何度言ったら気が済むのォッ!? 母には近づかないでって言ったハズだよォッ!? それを…」
私は言い返す!
「ちょっと待ってッ!
私たちは、アンタのお父さんから頼まれて来たのに! なあーんでアンタから文句言われなきゃならないのッ!?」
「図々しく、人の家に上がり込むからでしょう!? まるでアンタたち、ストーカーみたいネェ!」
「言わせておけばッ!」
結菜はキレて、仁美さんに掴みかかった。
互いに掴み合いのケンカを始めた2人。
激しいケンカになっちゃった。
私や真澄さんが止めに入るけど、ケンカは治まらない。
何と、仁美さんは私たちを払い除け、結菜を力ずくで投げ飛ばした。
仁美さんがこんなにケンカ強いとは驚きだ。
でも何だか、異様な気がする。
仁美さんは近くに置いてあったゴルフクラブを手にすると、杏里に襲いかかった。
クラブで杏里をメッタ打ちする仁美さん。
杏里は両手で身を守るけど、仁美さんの殴打は続く。
真澄さんは我慢出来なくなり、仁美さんからクラブを取り上げた。
「イイ加減にしろバカ野郎ォッ!!」と、真澄さんは仁美さんの頬をひっぱたいた。
「お父さん…」
頬を手で押さえたまま、仁美さんは呆然。
ハッと我に返ったのかな?
「いったいどうしたんだお前はッ!? 目を覚ませェッ!」
今までにない強い口調で真澄さんは仁美さんに声をかける。
仁美さんは興奮したまま部屋を飛び出した。
「杏里ッ!」
「お姉ちゃん!」
歩美さんが追いかけて行った。
結菜は杏里の傍に駆け寄った。
杏里は座敷の安楽椅子に腰掛けて、苦しそうな表情している。
腕はアザだらけで無残な姿になっちゃって。
私はもう、我慢出来なくなった。