心霊ファイル…怨み2-4
久しぶりに柳沢家を訪れる杏里。
私は結菜も誘って杏里に同行した。
ルリ子さんは座敷に布団を敷いて横になっている。
今後は状況次第で、病院に再入院させるつもりだと真澄さんは言う。
それにしても…
ルリ子さんは又、やつれた生気のない顔に戻っているじゃない。
杏里は枕元に座り込んでルリ子さんに声をかけた。
「お母さん、お久しぶりです」
ルリ子さんがゆっくりと目を開けた。
杏里の顔に視線を向ける。
「杏里さん…来てくれたのね?」
「又、ヒーリングをさせて頂きますよ?」
「アナタが来るのを、待っていたわ」
ルリ子さんの言葉を聞いて、杏里は微笑んだ。
さっそくパワーを施し始める杏里。
しばらくして…
「え? お姉ちゃんもう、帰って来たの?」
リビングで歩美さんが声を上げた。
用事で外出していた仁美さんが帰って来たのである。
…臭い!…
鼻をつまむ歩美さん。
どこかで酒飲んで来たのかな?
仁美さんは何だか、かなり酔ってフラフラ状態になっている。
仁美さんはそのまま、座敷の方へやって来た。
仁美さんと目が合って、私たちは息を呑んだ。
まあ…
父親が説得しているみたいだから、心配はないと思うけど…
私は何だか、嫌ーな予感がして来ちゃった。
そして案の定…
仁美さんは何も言わず、杏里の元へ歩み寄って行く。
正座したままの杏里は施しを止め、仁美さんの方に振り向いた。
すると何と!
仁美さんは杏里の頬を勢い良くバシーッと平手打ちした。