心霊ファイル…怨み2-3
そんな…或る土曜日の事だった。
何と、歩美さんから私のケータイにメールが届いた。
何かあった時の為に、私は自分のメルアドを歩美さんに教えていたんだけど…
やっぱり来ちゃった。
真澄さんが杏里に会いたがっていると言う。
さっそく私たちは、待ち合わせ場所に集合した。
待ち合わせ場所に選んだのはパルである。
久しぶりに見る真澄さんと歩美さん。
真澄さん、何だか疲れたような表情である。
杏里が初めて、霊界メールの事について2人に話し聞かせた。
香織って言う霊は…
今から15年前、病気で亡くなった一番上の姉さんである。
「何て事だ。あのコは…香織は天国で幸せに暮らしていなかったとは」
娘さんが地縛霊として、この世をさまよい続けていると知って真澄さんはショックを受けた。
杏里の質問に、真澄さんは今までの事を話し始めた。
以前は明るくて幸せ絶頂だった柳沢家は、この1、2年の間に状況が一転した。
窃盗や詐欺、金銭や対人関係でのトラブル続きで家族は大変な目に遭ったのだった。
特にルリ子さんは精神的に追い詰められた状態になってしまった。
病院での適切な治療とカウンセリング…
そして、杏里のヒーリングによって元気は取り戻したものの…
仁美さんが無理矢理退院させたばかりに、元の状態になってしまった。
…大体、こんな経緯である。
真澄さん、杏里に訴える。
「吉岡さん、このままだと妻は確実に死んでしまうかもしれない。
アンタがもし、妻を助けられると言うのならお願いだ」
「ヒーリングやってイイんですね?」
杏里の表情が明るくなった。
「アンタに任せたいって思ってる」
ちょっと待って。
私は横から真澄さんに口出しする。
「仁美さん、OKしたんですか?」
「仁美が?」
こっちに振り向く真澄さんに私は、愚痴っぽく言った。
「杏里が顔を見せるだけでも仁美さん、凄く嫌がってる。又、水なんかかけられたりしたら…」
「仁美の事なら大丈夫。 私から十分に言い聞かせているからね」
真澄さんは随分と自信タップリに答えたけれど…どうかなァ?
真澄さんって、仁美さんには何も言えないみたいだし…
何だか、不安。
杏里の方は施しを再開するつもりのよう。