心霊ファイル…怨み-6
>愛する家族を救って欲しい。by香織<
随分とシンプルな内容のメールである。
単なる悪戯メールではないようだ。
いったい、誰からのメールだろうか?
何だか私、不思議な感じがした。
杏里のケータイに電話を入れて、メールの事を話してみる。
「彩愛のケータイにも届いたのね?」と杏里。
「え? じゃあ、杏里のケータイにも?」
「そっちに転送してみるから読んでみて」
しばらくして、杏里から転送メールが来た。
私に来たのと同じ内容のヤツである。
私も、自分に来たメールを杏里のケータイに転送した。
死者からの霊界メールだと杏里は言う。
私たちは香織って言う人の事について伺おうと、精神科病棟を訪れた。
来ないでって言われているけど…
柳沢家の家族を無視するワケにはゆかない事を、私も杏里も確信している。
それはイイとして…
何と言う事だろう!?
病院に来てみたものの、ルリ子さんは退院した後だった。
担当の先生に伺ってみる。
「柳沢仁美さんって若い女性がね、こっち側が止めるのも聞かずにサッサと連れて帰ったんだ。
しかも無理矢理ね。
あの体と精神状態じゃあ、自宅での生活は不可能なのにネェ」
先生は随分と不機嫌なようだった。
勝手な事をされたのだから、怒るのも当然だろう。
それにしても、仁美さんは母親を連れて帰るなんて何考えてるのか?
杏里が質問する。
「理由は?」
「後はウチで面倒見ますからって言うだけで…
理由は教えてくれなかったけどネェ」
ますます疑問だ。
家庭は結構裕福だし、費用の心配はないハズ。
なのに何故?
私たちは受付でルリ子さんの自宅住所を教えてもらうと、自宅へと向かってみた。