心霊ファイル…怨み-5
杏里は色々と説明するけど、仁美さんは全く耳を貸してくれない。
どうしたのだろう?
仁美さんは異常なまで興奮しだし、杏里に罵声浴びせたり激しい口調を文句を並べたりした。
真澄さんや歩美さんがなだめるけど、仁美さんの興奮は治まらないみたい。
仕方がなく、私たちはこの病室への立ち入りを止める事にした。
当然、ルリ子さんへの施しなんて出来ない。
杏里はガッカリした。
暗い表情で病室を後にする私たちの所へ歩美さんが走って来た。
「ゴメン、姉が失礼な事を言って。本当はイイ人なの」
ペコペコ頭下げる歩美さん。
「何が、あったの?」
杏里が尋ねようとした時だ。
「歩美ぃッ!! 余計な事言うんじゃないわよッ!! 戻ってきなさいッ!!」
こ、怖ーッ!
仁美さんが鬼のような形相で声を荒げたのだ。
あまりの声の大きさに通りかかった看護士さんがビックリした。
仁美さんの物凄い剣幕に私は硬直するだけだった。
杏里は鋭い目で病室を見ていた。
この日以降…
私も杏里も精神科病棟の方へ足を運ぶ事はなくなった。
「仕方ないよね。
あの人が元気になるよう、祈ろう」
私たちは2人でこう決めた。
多少は未練も残っているけど、仕方がない。
あの家族にはもう、会えないなってと私たちは諦めた。
そう…
あの不思議なメールが届くまでは…。
それは或る夜の事…
私はベッドに寝転がってケータイ扱っていた。
友達同士でメール交換をしていたのだ。
交換も終わってケータイの電源を切ろうとした時、1通のメールが届いた。
送信元のアドレス不明の怪しげなメール。