投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

心霊ファイル…怨み
【ホラー その他小説】

心霊ファイル…怨みの最初へ 心霊ファイル…怨み 1 心霊ファイル…怨み 3 心霊ファイル…怨みの最後へ

心霊ファイル…怨み-2

 夕方遅く…

「はーい、今日はこれでおしまーい」と、杏里は施しを止めた。

 森田は包帯巻いた左足を少し動かしてみた。

「調子、どうよ?」

 結菜が話しかけた。

「痛みはそんなにねーし、足はチト軽くなった感じかな?」

 そう言えば森田…

 救急車で運ばれて来た時は死にそうな顔をしていたっけ。

 今では落ち着いた表情をしている。

 杏里は大きく背伸び。

「さてと、私たちももう帰るわよ。時間遅いし」

 杏里の言葉を聞いて、私は立ち上がった。

 時間は夜の7時半。

 結菜はまだ少し残るみたいで、私と杏里だけが帰宅の途に着いた。

 ふーん。

 結菜はまだ、森田の傍にいたいんだよね。

 2人だけで、ゆっくりと話し出来るんだし。



 病棟を出て、中庭を歩いていた時である。

 この時間帯…

 中庭にはノンビリとくつろぐ患者の姿がチラホラいた。

 私が注目したのが、杖を付きながら芝生を歩く入院着姿の1人の女性である。

 年齢は50歳代かな?


 随分と体は痩せ細っていて、やつれた表情。

 まるで、ミイラが歩いているみたい。

「どうしたの彩愛?
 うかない顔して」

 立ち止まって一点見つめる私に杏里が声をかけて来た。

「あの人」

「え?」

 私が指差した方向に杏里は視線を向けた。

「ちょっと、気になるんだよね」

「…」

 私が話しを終わらないうちに杏里、その女性の所へ歩いて行った。

 顔見知りなのか?

 何か話しかけ始める。

 女性は足を止めて杏里に振り向いたけれど突然、フラリと倒れてしまった。


心霊ファイル…怨みの最初へ 心霊ファイル…怨み 1 心霊ファイル…怨み 3 心霊ファイル…怨みの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前