Lesson xxx U B-3
「征也…?」
訝しげに俺を見下ろす彩の手を掴み出した俺は起き上がってあぐらをかいた。
「悪ぃな。彩。お前じゃ勃たないらしい」
顔を真っ赤にした彩に頬を打たれた。
今日、二回目かよ…。
「気が済んだか?」
さらにもう一度打とうと振り上げた彩の腕を抑えた。
マゾじゃないんだし一日に何度も殴られるのは趣味じゃない。
「どうして…?どうして私じゃだめなのよ!?」
「彩がだめじゃなくて俺が神崎にしか反応しないんだよ」
「あんな…子…ただの子供じゃな…い…」
悔しさと涙でグシャグシャになった彩の女の部分を見せられて正直引いてしまった。
「彩。部屋に戻れよ」
俺の鋭い声に彩の肩がビクッと震えた。
「征也…」
「俺に何かを求めないでくれ。何も応える事が出来ないから」
優しくしようとするならいくらでも出来るさ。
でもそうすると彩は俺に頼りきって勘違いするだろう。
彩をここに連れてくるべきじゃなかったのかもしれない。
今日は一緒にいるなんて言うべきじゃなかったのかもしれない。
結果的に彩の体を傷つけたあの生徒より俺の方が彩の心を傷つけてる。
俺ってやっぱサイテーだな。
のろのろと立ち上がると寝室に消えた彩に安堵のため息を吐いた。
神崎に会いたい。
こんな俺を好きだと言ってくれる神崎に。