紙ヒコーキ-1
「沢…!金沢!」
聞こえるのは、誰かが私を呼ぶ声…――――
……声?
…―――
やばっ!今授業中!
急いで顔を上げると…。担任の木村が目の前にいた。
「金沢廣瀬〜。また居眠りか…。…お前これで何度目だ…?」
「はい…すいません…」
「さすがに今回は多めに見れねぇな。今日放課後居残り作業な」
「はい〜…」
あーあ。何をやらされるんだろう。がっくりとうなだれていると…。
「…ぷっ!」
私の方を見て笑いを堪えているのは…
「…樋浦くん。何か言いたいコトでもある??」
樋浦裕介。私の隣の席の人で、何かある毎に私にちょっかいを出して来る。
「いやぁ、金沢ってついてねぇなぁと思って♪」
「なっ…!?」
「…樋浦。何言ってんだ?お前も居残りに決まってるだろうが」
「え!?なんで俺が〜!」
「お前が俺の授業中だと言うのにその手に持ってるのは携帯電話じゃないのか…?」
「げっ…!すんません…」