距離〜順平からの視点〜-2
え、無言…?
なんだこいつ…今日は女の子の日か?
「や、昨日の飲みでさ…」
あー……分かった。
気にしてんだな。
「俺が言ったこと、頼むから他言すんなよ」
「はっはっはっ!誰にも言わねーって!剛が幸ちゃんのこと好きだなんてよ!」
ガツッ!
「いっ…!……ギャグに決まってんだろ!!そろそろ血ぃ出るってマジで…」
「ギャグになってねんだよ。屋上だからってそんなデカイ声で言うなよ…」
「あー…はいはい。…まぁ冗談抜きでよ、別に誰に言ったりするわけじゃねーし安心しろって」
「…タバコくれ」
「…え?切らしたの?」
「いや、あるけど。俺の本パクられた代と俺を冷やかした代で。あ、あと俺からのCDレンタル代も」
「ちょ待て!最初の二つはしょうがねーけどレンタルはいつもタダだろ!」
「…はい、いいからちょうだい」
「…剛、お前ろくな死に方しねーぞ…。しょうがねーなー…。はい」
「毎度っ」
「商人か!毎度とか言うな!」
「さすが順平ちゃん。ツッコミも抜かり無しだな」
「……。」
「……や、まぁでもさ、ほんと頼むわ。佐山さんにも、勿論千華の耳にも入っちゃマズイしよ…」
「その辺はほんと心配すんなって。俺も賢も進もよっちゃんも、そんなに信用出来ねーか?」
「そんなんじゃねーよ。ほんと信用してるし、だからこそ言っちまったんじゃねーか。まぁ酒も入ってたし、進とよっちゃんがウザかったってのもあんだけど…」
「あれはなぁ…。「おい剛!!ぶっちゃけ幸ちゃんのことどう思ってんのよ!!なぁおい!!おい!!言えこらクソガキ!!」ってな…。タメがクソガキって…」
「思い出してまた腹立ってきたわ…」
「あ、おぃっ…俺を殴るのは勘弁な…」
「分かってるよ…。でもこれってさ…浮気だよな…?浮気になっちゃうよな?」
うっ…。
答えずれーっ…。