距離〜美沙と順平と剛〜-1
昼休みの屋上。
美沙と順平と剛、3人で昼メシ。
「この前言ってたCD、これよ。あの曲は4曲目だから」
「おーありがとー!感謝なのだー!」
「あとまぁこのアーティストとの関連付けで、この2枚も貸したげる。こっちはもうちょいチルアウト寄りでクリックとかの要素も強いんだけど、こっちは逆にもうちょいテンポ早いし、ビートも結構複雑でドラムンぽいかな」
「出たよ、“関連貸し”」
「おー!毎度すんませんねー!ドラムンは初めてなのだ!」
「どういたし。まぁ聴いてみてよ」
「おぃっす!がっつり聴くよ?!」
「あ、美沙ちゃん、それ次にそのまま俺に貸してちょーだい」
「…おい、まずその前に俺に了承を…」
「あれ、順平くん持ってないのか?てっきり持ってるもんかと」
「おい…」
「俺はこいつと違ってバカみたいにCD買う金が無いんでね…」
「おいこら、バカみたいって言うこたねーだろーよ。メルマガで100円セールとか狙って買ってんだからよ。寧ろ買い物上手って言ってほしいわ」
「今何枚くらい持ってるのー?前行った時は500枚以上はありそうだったけど」
「今はさらにあの倍くらいかなー。もう収納スペースが…」
「単なる買い過ぎ。だからさ、聴いてないやつ俺にくれよ」
「そういえば賢は元気?」
「え、シカト…?」
「おーっ。相変わらずなのだ。二人に会いたがってたぞー。遊んでやっておくれー」
「それがなかなか時間合わないんだよなー。順、最近連絡取った?」
「あぁ、そういえばこの前あいつの高校の前通ったらさ、たまたま会ったんだよ」
「マジかっ。何か言ってた?」
「幸ちゃんと剛のこと気になってるっぽい…」
「…」
「…」
「…」
「…まぁ、私といる時もちょくちょく聞いてはくるんだけどねぇ…」