距離〜美沙と順平と剛〜-2
「…」
「…」
「…」
「「あいつは中坊ん時からその変に関してはほんっっとにだらしないし、鈍るんだよなー」って…。「中途半端に優しいからよー、なんつーか情に流されやすいんだよな」って…。あ、私じゃなくて賢がね…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
「剛…」
「順、タバコくれよ」
「え?あぁ?はいはい…」
「ふーっ……。悪いね、切らしちまっててよ」
「剛…」
「いや、流石は賢。俺らの一個上の高校に行っただけのことはあるなっ。俺のこともよく分かってらっしゃる。ほんと美沙ちゃんに紹介して良かったってもんよ。なぁ順」
「…剛…その話は今関係ないぞ…」
「まぁお二人には感謝しとりますけれどもー…」
「…」
「あーあのさー剛…今話に出たから聞くけど、実際彼女とはどうなのよ…?」
「…どうって…付き合ってますがな…」
「いや、それは知ってんだけど。じゃなくてさ…」
「順平くんはもっとこう…気持ち的な部分が聞きたいのだろー?」
「そうそうそう」
「気持ちって言ってもなー…。まぁそれは当然彼氏としてだな、全うに千華と…」
「嘘くさっ」
「嘘っぽいねぇー」
「や、まだ途中だけど…」
「言い切らなくても分かるわ」
「同じくぅ」
「………。でもさ、千華のことは好きなんだよ、ほんとに。誰かと一年近くも付き合ったのだって初めてだし、すごい俺のこと想ってくれてるし。ただちょっと妬きすぎなんだけど…」
「そら妬くだろーよ」
「妬くだろーよーぅ」
「……なんだよ二人して」
「だって特に幸ちゃんとあんなに仲いいんだし、そりゃ妬くべよ」
「妬くべよーぅ」