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夏の夜のお話・三姉妹
【ホラー 官能小説】

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夏の夜のお話・三姉妹-4

階段を駆け上がり、私は引き出しの奥から一枚の古い写真を取り出した。


何で?…
私と姉と愛美、三人並んだ写真から姉が消えている。

私とそっくりな姉の涼子…
幼い愛美と三人揃いの晴れ着姿が…


何で?…何度も眺めた姉の唯一の写真。

まだ新しい写真ならともかく、こんな昔の写真を加工して人物をひとり消してしまう事など可能なんだろうか?


愛美と裕之…
そっと私の目を見て尋ねた。

[ じゃあ思い出して…
お姉さんはどこで、なぜ亡くなったの? ]


思い出せない…
姉の死因もいつ死んだのかもお葬式の事も…


頭を抱えていくら考えても重い頭痛がするだけで思い出せない。


[ もういいよ…
ゆっくり癒せばいいだから…
次の検診が済んだら予定通り結婚してくれるかい?
どんな事があっても僕は君を愛しぬく… ]


検診?…

[ 涼子はもういないの…
あなたは涼子なの
涼子のためにも彼女はあなたの一部なんだって事を認めてあげて ]


先生と呼んだ眼鏡の女性がそう言っていた事を微かに思い出した。


… … … …

ほどなくして私と裕之は結婚式を挙げて、この日を忘れないように写真も撮った。


裕之は食品会社を辞めて私のそばにずっといてくれるように、二人でおいしいラーメン屋を始めた。

何かとたいへんだけど二人仲良く働けて幸せだと感じている…


セックスも優しくなった。

でも、時々また姉の涼子が振り返って私を指差した時は別だったが…


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