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Lesson xxx
【学園物 恋愛小説】

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Lesson xxx UA-4

「南方先生…?」

視線を俺の後ろに移した神崎が呟いた。

「えっ…と…神崎さん…よね…?」

俺と彩を交互に見ていた神崎だったが俺をキッと睨みつけると手のひらが一閃した。

乾いた小気味いい音がリビングに鳴り響く。

「神崎っ!」

彩を押し退けて部屋を飛び出す神崎を追いかけようとしたが彩に腕を掴まれた。

「征也…?」

ああ…。
今は彩を放ってはおけない。

神崎には後でちゃんと説明しよう。


神崎を追うのを諦めた俺は彩に向き直った。

俺の赤く腫れあがった頬に彩が手を伸ばす。

それを制して彩をソファーに座らせた。

「あの…よかったの…?彼女…」

「ん…。彩は余計な心配しなくていい」

微かに頷いて手のひらで顔を覆ってる彩は疲れているようだ。

「彩はあっちの部屋を使って」

「一緒に…いてくれないの…?」

心細そうな表情で俺を見上げる彩に俺は笑みを返した。

「俺はここにいるから何かあったら言ってくれ」

しばらく俺を見つめていたが諦めたように頷くと彩は寝室に入って行った。

ドアが閉まったのを見てネクタイを弛めると静かに、でも長く息を吐き出した。

神崎…ちゃんと帰ったかな…。

携帯を取り出してボタンを押すが電源が入っていない旨のアナウンスが流れた。

電源を切ってるのか…。

ソファーに体を投げ出して天井を見上げる。

完全に誤解してるよな。

打たれた頬が熱をもって痛む。

神崎、ごめんな。
でも今日は彩を放っておけなかったんだ…。


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