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Lesson xxx
【学園物 恋愛小説】

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Lesson xxx UA-2

こんなとこに誰がいるんだ?

大して興味があった訳でもないし、そのまま素通りしようとしたが押し殺した呻き声や荒い息遣いと教室に似付かわしくない声が漏れてきた。

おいおい、こんなとこでか?
ケチらずラブホでも行けよ。
ってガキはそんな金ないか。

どうしたもんかなと思案してると机や椅子がぶつかる音がしたと思ったら目の前の扉が勢いよく開き服装を乱した女が飛び出してきた。

「っ…と」

真正面から受け止める形になった俺は出てきた人物を見て驚いた。

「彩…!?」

涙で顔をくしゃくしゃにしながら俺の手を振りほどいてものすごい勢いで走り去った。

開けっぱなしの扉から教室を覗くと慌ててズボンをずり上げている男子生徒がいる。

「今のは何だ?」

冷静でいたつもりだったが声は怒りに満ちていた。

俺を見た男子生徒は悪びれる様子もなく薄ら笑いを浮かべている。

「あのセンセって男に飢えてんの?」

思わず胸ぐらを掴んだが殴るのは何とか我慢した。

「……お前自分が何やったかわかってんのかっ…!」

「向こうから誘ってきたんだよ!俺は悪くないぜ」

俺の手を力任せに振り切ると反省も見せずに立ち去ろうとするその後ろ姿へ鋭く怒鳴った。

「二度と彼女に近づくな!」

怒りで頭がどうにかなってしまいそうだった。

でも今は俺の事より彩だ。

彩を探すべく再び校内を歩きだす。

どこにいるんだ…!?

彩が走り去った方へと進んでいくと女子トイレから微かに嗚咽が聞こえる。

ここか…。

もう校内に生徒がいる時間じゃないが一応辺りを見回してからトイレに入った。

「……彩…?」

すすり泣く声がピタッと止まる。

「彩…?」

「……征也…?」
扉ごしに聞こえるか弱い声に言葉が上手く出てこない。

「あの…出てこれる…か?」

長い沈黙の後、扉の鍵が静かに開いた。

うなだれて顔を上げようとしない彩の肩に静かに手を置くと崩れ落ちるようにして俺の腕にしがみついて声を上げずに泣いた。


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