coloraffair〜みんなの気持ち〜13-1
「あら、佐藤君………」
「よ、今大丈夫か?」
「大丈夫じゃないわよ」
「そりゃそうだよな。正直、おれも大丈夫じゃねぇしな」
「へぇ」
「でも、聞きたいことがあるんだ、美衣菜について」
僕は美衣菜が入院している病院に来た。美衣菜は交通事故に遭い重傷で病院に運ばれたと、アカに電話で聞いた。ここに来たのは千弥子に会うため、というより美衣菜について聞くためだ。そのため千弥子には1階のロビーに来てもらい、そこで落ち合った。
「で、何?」
「いや、先週の花火大会の日に美衣菜に会ったんだ。それでいろいろ話してな。いやに別れたときのことが頭から離れなくて。千弥子に聞きたかったんだ」
千弥子は僕を睨んだ。
「え?なんだよ?」
「今更よ………。聞かない方がいいわ………。今は米沢さんと仲いいんでしょ?」
「それは関係ないだろ!米沢と出会う前のことが知りたいんだ!いつか千弥子が、美衣菜がふったのには理由があるみたいなこと言ってただろ!それについてなんだ!」
千弥子は口を閉じた。そして、何かを考え込んだ。
「………なんだよ?」
「いいわ、あなたたちのことだしね。知る権利はあるでしょう」
「あぁ」
「ちょっと、美衣菜!もうすぐ3年ね!」
「3年って何?千弥子」
「またまた?」
千弥子と美衣菜は中学卒業から高校入学の間の春休みにしょっちゅう遊んでいた。この日も遊んでおり、今は喫茶店で休憩している。
「本当はしっかり覚えてるんでしょ?佐藤君とのこと」
「うん………まぁね」
美衣菜は顔を赤らめながらうなずいた。
「でもだからといって、何か特別なことがあるわけでもないよ?」
「駄目よ!そんなんじゃ!人を好きでいられる期間は3年が限度って言われてるのよ?この先何があるかわからないでしょ!」
「うん………でも、そんなこと言ったって………」
2人は黙っていた。
「別れてみようかな………?」
「え!?なんでそうなんの!?」
「違うわよ、まだ真夏があたしのことを好きでいてくれてるか、別れを切り出してみるの」
「佐藤君を試すってこと?」
「まぁ………そうなるかな………」
「いいの?そんなことして」
「なんか千弥子の話聞いてたら不安になってきちゃって」
「あたしはそういう意味で言ったわけじゃないのよ!?取り返しのつかないことになったらどうするの?」
美衣菜は微笑んだ。
「大丈夫、真夏を信じてるから!」
僕は頭が真っ白になった。