投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

距離〜佐山から見た視点〜
【青春 恋愛小説】

距離〜佐山から見た視点〜の最初へ 距離〜佐山から見た視点〜 2 距離〜佐山から見た視点〜 4 距離〜佐山から見た視点〜の最後へ

距離〜佐山から見た視点〜-3

でも、やっぱりね。


出来れば、出来るのなら、彼女になりてーんだなー…。


「だはーっ…」



意味の分からない声と溜め息を吐き出して、私も部活に向かった。





中庭の見える、西棟の3階。家庭科室の窓際のテーブル。
必ずこのテーブルで、私達は料理をする。

あれが見えるから。




大親友の美沙とペアで、今日はクッキーを。




「あ、聴こえるね?やってるね?。ズンズン響いてますね?。…おっ、すごいっすね?」
美沙が言う。

「うん」

「しかしまぁよくあんな動き出来ますな?。おっ、すげっ…おっおっ」

「うん」

「カッコイイね?。あ、次剛くんだ」

「……うん」



いつもこの場所から、ダンスサークルを見ながら、私は家庭部の活動に励む。
いや寧ろ、ダンスサークルを見る為に、ここに来てるのかな。


「おーっ。剛くん、今日もロボットみたいなのだ。カッチカチやぞー」

「うん」

「合わせてるこの曲、カッコイイですな。誰の曲なのだー」

「…あ、あたしこの曲知ってる。この前剛くんに借りたCDの中に入ってたよ」

「ほーっ。私も借りよーっと。しかしまぁ彼ら、爽やか極まりないですな。そりゃダンスサークル、モテるわけですよ。それにサークルのマネージャー募集に集まった女子の数、70人くらいいたとかなんとか」

「本人らはただ踊りたいから踊ってるってだけの話なのにね」

「でもほら、私らみたいなギャラリーが、他にもちらりほらり。あ、進くんの彼女さんと順平くんの彼女さんもいるわー。あと…あ、千華ちゃんも見てるねぇ」

「…え?」





中庭を挟んだ向こう側、東棟の4階の吹奏楽部の使ってる音楽室。
そのベランダ。


距離〜佐山から見た視点〜の最初へ 距離〜佐山から見た視点〜 2 距離〜佐山から見た視点〜 4 距離〜佐山から見た視点〜の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前