想-white&black-F-1
―――ギッ、ギシッ、ギシ……ッ。
薄暗い部屋にベッドの軋む音が響き、壁に二つの影が揺れていた。
「んっ、ああっ、は……っ、やあっ、ああっ」
途切れ途切れに漏れる吐息と濡れた音が静かな部屋に妖しく響く。
一つの影は私。
「………っ、花音……」
そして、もう一つの影は楓さん。
楓さんの上に跨るような体勢で身体の奥を深く突き上げられていた。
あまりの深さに時々鈍い痛みが僅かにあったがそれをも上回る快楽が襲ってくる。
「ああっ、あ、や、だ……め……っ。そこ、は……っ」
「だめ? よく言う。ここがいいくせに?」
楓さんはそう言って薄く笑うと、殊更感じる部分を突いてきた。
そして繋がったまま身体を起こしベッドに私を押し倒して覆い被さると、手首を掴み唇を塞いだ。
舌先で唇をこじ開けるとそのまま口内を犯し始める。
舌を絡ませ、唾液が流れ込み、その熱い体温が唇から脳を麻痺させる。
「全くお前という女は……。キス一つで毎晩そんなになっていたら身が持たないだろう」
貪るようなキスから解放され、すでに快感を与えられ過ぎている私は全身が気だるく息が上がっていた。
「あっ……」
楓さんはまた顔を近づけると、紅く少し腫れた私の唇を舌でペロリと舐めた。
キスの余韻がまだ抜けない私はピクリと反応してしまう。
抽挿を止めることなく唇を合わせてくる。
楓さんはキスを求め始めると執拗なまでに離してはくれない。
掴んでいた手を離すと長い指が不意に伸びてきて、汗で頬に張り付いた私の髪をそっと払う。
そして指先で肌をなぞりながら胸の突起をきゅっと摘み、爪で引っ掻いてくる。
「ひ……っ、や、ああっ」
敏感なそこを弄られピリッとした痛みと疼きが腰の奥を刺激された。
「そんなに瞳を潤ませて、俺を誘っているのか?」
「べっ……、別にそんなんじゃ……っ」
私が誘っている?
まさかそんなこと有り得ない。
こんな人なんか私が誘う訳がないじゃないか。