投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

coloraffair〜みんなの気持ち〜
【二次創作 恋愛小説】

coloraffair〜みんなの気持ち〜の最初へ coloraffair〜みんなの気持ち〜 21 coloraffair〜みんなの気持ち〜 23 coloraffair〜みんなの気持ち〜の最後へ

coloraffair〜みんなの気持ち〜12-2

「どうしたの?二人とも………?」
「いや、シロが立ち止まっ」
「クロは!あたしと美衣菜さんのどっちが好きなんですか!?」
「!!!???」
シロからこの話題が振られるとは思っていなかった。そもそも僕と美衣菜のことについて深く知ってるとも思わなかった。
「千弥子さんから聞きました、いろいろ。あの旅行の日にクロが変だなと思って、千弥子さんなら何か知ってるってアカが言うから聞いてみたんです」
シロがここまで鋭いとは思わなかった。いつもぼーっとした感じで、こういったことに頭は働かないと思っていた。どうやら甘く見ていたみたいだ。
「どういうこと…………?寿里亜さん?真夏?」
美衣菜も動揺しているようだった。
「あたしは好きよ、クロ?だから、クロの気持ちが知りたいの………!」
ここまではっきりと物を言うシロは初めて見た。
「え、それは………」
「真夏…………」
僕は美衣菜がずっと好きだった。いきなり別れを切り出されてからもずっと前に進めていなかった。美衣菜のことをひきずっていたのだ。
しかし、全て過去形での話だ。今はシロという人に出会い、一歩進ませてくれる可能性ができた。そしてその人から告白されたのだ。願ってもない状況だ。しかし、目の前には美衣菜がいて簡単に答を出せる空気ではない。もう、懲り懲りだ。ただ、一つはっきりしている。
「おれは…………愛してる…………シロを」
周りの空気が止まったような気がした。でも僕は続けた。
「悪かった、美衣菜。あのときはっきりとすればよかったんだ。でも誘惑に負けた………男は馬鹿だから………」
ゆっくりではあったが、きっぱりと言うことはできた。
「…………そ」
美衣菜は弱々しく微笑んでいた。
「そうよね…………今更よね…………でも、真夏の気持ち知れてよかったわ。前から何においてもはっきりしなかったからね。でも、今日はよかったわよ?寿里亜さんのおかげ………かな?」
真っ直ぐに僕を見て話す美衣菜に心が揺らぎかけたが、踏みとどまった。
「改めて………今までありがとうな、美衣菜」
「えぇ、どういたしまして!」
美衣菜は出来る限りの笑顔を見せてくれた。おそらく、内心は笑えてなかったと思うけど。ただ、美衣菜の優しさには感謝したい。


美衣菜は花火を見ることなく、会場を後にして僕たちの前からいなくなった。永遠に。


coloraffair〜みんなの気持ち〜の最初へ coloraffair〜みんなの気持ち〜 21 coloraffair〜みんなの気持ち〜 23 coloraffair〜みんなの気持ち〜の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前