エリザベスシリーズ・オマケB-5
本来なら処刑は免れなかった罪人エリザべス。
今からの試練は絶対に逃れないんだ。
キディも含め、子供人形たちは帰される事となった。
母親が心変わりしたからか、子供人形たちに霊的覚醒が起きたらしい。
子供人形たちは、自我に目覚めたんだ。
他の子供人形たちも同じように、身長が伸び言葉づかいや発音がハッキリして来た。
全く不思議なもんだ。
この世界の動く人形たちには、生身の人間たちには理解出来ない事がイッパイあるんだからな。
他の子供人形たちは1週間後に、フリーラムランドの人形工房に身柄を送致されて、更生の為の教育を受ける事になっている。
キディの方はマルセルが直接連れて帰る。
子供人形たちの顔は二度と見たくないって言うグロリアスは反対しているらしいが…
マルセルは上手く説得するだろう。
帰りのトナカイロバ車の車内で語り合うマルセルとキディ。
キディは初めて、エリザべスママに対する思いを話した。
「ママには凄く感謝している。今まで私たちを愛情込めて可愛がってくれたし。私たち、毎日が充実して楽しかった。
でもママは、私たちをただ可愛がるだけで…
それ以上は何もしてくれなかったの。
私なんか…、ずっと赤ちゃん扱いされてばかりで…、正直言って…苦痛だったわ」
「グロリアスの事、どう思っているかしら?」
「どうって?」
「あの子、アナタに火をつけて大火傷負わせたでしょう?」
「とても怖かったわ。
私はもう、死ぬんだって覚悟してたし」
「あの子を恨んでる?」
「うーん、最初はすっごく。でも今は、何とも思ってないわ」
今の、キディの正直な気持ちかもしれねえな。
そのキディはその後…
キャサリーナと言う名前に改名したらしい。
完