憂と聖と過去と未来 5-8
***
翌日、佐山が迎えにきた。
佐山の家はマンションから結構な距離があったが、どうやら徒歩で来たらしい。
だが、時間はいつも憂とマンションを出る時間よりも30分早い。
時間はあらかじめ聞いていたが、体がなれていないために起きるのはかなりしんどかった。
朝からそのことを憂に伝えようと思ったが、佐山は伝えるなと言った。
憂を待ちぼうけさせるつもりなのだ。
だが俺は完全に佐山の言いなり。
反発することさえも許されない。
憂は元気かな…
怒ってるだろうな…
そんなことばかり考えていた。
登校中は歩きながら寝てしまいそうな勢いだったが、なんとか学校までたどり着いた。
しかし、一限目はそう大事な科目でもないのでそのまま眠ることにした。
なんとなくだが、早くも精神的に参ってきている気がする…
俺はひとつ溜め息を吐いて、眠りに落ちていった。