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憂と聖と過去と未来
【幼馴染 恋愛小説】

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憂と聖と過去と未来 5-3

「…憂」
「…なに?」
「お前は…それでいいのか?」
「え…」
「……」
俺は憂の目をじっと見た。
「い…いいよ、だってあたしは…聖と付き合ってるわけじゃないのに聖を独り占めにして…罪悪感を感じてて…」
憂は悲しそうな顔をしたが、俺は解せない。
「憂…それは違う」
「…違わないよ。聖って自分が思ってる以上に女子に人気なんだから」
「……」

憂、お前は…いいのか?
俺は好きで憂とずっと一緒にいたいんだぞ?

そう目で訴えてはみたが、やはり気付かない。

俺はどうしたらいい?

今ここで…俺が憂に告れば…

いや、それは違う。

それだと憂はその佐山とかいう友達に嫌われてしまう。

かなりの時間、考えてみたが、憂に直接気持ちを訊くことにした。

「…憂」
「なに?」
「今の俺達の関係が崩れてもいいのか?」
憂はビクッと体を揺らす。
しかし、憂は思いがけない言葉を口にした。
「大丈夫!あたしと聖の関係はもう簡単に崩れないよ。というか、あたしが絶対に崩させない!」

…ない胸を張って偉そうに言いやがって。

…でも、おもしろいな、憂は。

俺はつい笑ってしまった。
「はは、頼もしいな」
「聖、今さらだけどごめんね。こんなことになって」

いいよ、憂。
俺は、憂がよければ…
「……これでお前が助かるんなら、俺はそれでいい」
つい、口に出してしまった。
恥ずかしくなって照れ笑いしてしまう。
「…聖」

あー…憂、目に涙が溜まってやがる。

本当に泣き虫なんだからお前は…


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