『六月の或る日に。2』-19
「ジューンブライドだね。」
あたしは涙を拭いながら、彼を見上げた。
「ああ。」
「きっと、幸せになるよ、この二人。」
「そうだな。」
博之は優しく笑って、あたしにまたキスをくれた。
夏樹と別れたのは、六月だった。
あれから三年。
あたしは結婚して、夏樹も結婚する。
もうすぐ、雨が上がる。梅雨が終わる。
新しい始まりが、
訪れを告げる。
そんな幸せな、
六月の或る日。