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『六月の或る日に。』
【悲恋 恋愛小説】

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『六月の或る日に。2』-14

*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*

「答えを、言うね。」

「え?」

「この間、夏樹がくれた問題。」


夏樹は、少し目を泳がせて何かを考えた後、思い出したようだった。

「ああーーー、あれか。」

あたしは頷いた。

『俺のことーーー、ちゃんと…好きだった…?』

「好きだったよ、夏樹。あたし……五年半前も、今も、迷うことなく…、夏樹が好き。」


「………ありがとう。」


夏樹は、泣き笑いみたいな表情だった。

でも、ちゃんと伝わったと思う。


何か、胸のつかえが取れたような、そんな顔をしたから。




ーーーー終わるんだ。




そんな合図が、聞こえたからかもしれない。




*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*


『うっめえ!すげーうまいよ!』

『ちょ、声でかいよ…。恥ずかしいじゃん。』

『いーじゃんか、うまいもんはうまい!』

『もー…、でも、ありがと。』

『…つうか春美と結婚したら、将来安泰だなー。』

『はっ!?』

『ふはっ、そんな驚くなよ。別に冗談だよ。』

『何だ、もう。』

『でも本当にするかも。』

『また冗談?』

『…んー、80%本気!』

『何それ。』

『だって俺は、お前を幸せにしたいから。俺自身でね。』

『………。』

『おい、春美?』

『………。』

『なにそっぽ向いてんだよ。』

『………。』

『……照れてんの?』

『ち、違うっ!』

『ふはっ、どもってんじゃん。』

『??っ、夏樹が変なこと言うからっ…。』

『はいはい、そうですね。………たくかわいーなお前。』


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