ennui-あんにゅい-2
それにしてもかなり暑い…
私はいかにもトレパン女教師みたいな格好がイヤだから、いつもタイトと白系ブラウスだ。
照明まで消えてしまってるから胸元にぐっしょりとかいた汗は気づかれない…だろう。
それで…
たまたまエレベーターに乗り合わせてしまったこの不幸な汗くさ少年は国見俊…
見るからにバスケット部だが、どうせなら水泳部員だった方がもう少し涼しかったかも知れない…
そんなわけないか…
第一、この汗くささの半分は私のものだろう…し。
エレベーターが止まって…40分。
私のイライラは限界に来て、とうとう…
さっき床に座り込んでしまった。
無粋な小説の設定では、そろそろ私はこの少年に強姦されてしまったりするわけだが…
できる事ならひっつきたくない…
暑いから…
[ 先生…いい匂い ]
突然、国見俊がそんな事言い出した。
意外だ…私も臭い。
私は髪を掻き上げるクセがあるからシャンプーの匂いだと思うが…
何か言おうとして、国見俊をちらっと見たけれど…
言葉が思い浮かばなかった。
[ 先生ってさぁ… ]
国見俊は言葉を続ける。
汗くさ少年…
これで気を遣ってるのかも知れない。
[ …人間嫌いって本当なの? ]
変な事いわないで…
私、こう見えても実はイライラしてるんだから…
[ そんな事…ないわ… ]
私は座り込んでしまってる。
エレベーターの冷たい壁にせめて背中をくっつけて…
初めは立っていたが先に座り込んでる国見俊にスカートの中、覗かれそうで…
それで座り込んだらタイトからはみ出した太股が気になり、また立ちあがり…
もう、いいの…
太股だってパンツだって好きなだけ見てちょうだい…
私は靴まで脱ぎ捨てて、しきりに髪を掻き上げる。