七夕 〜四行詩・アソート〜-1
☆
無粋な下駄の音は遠ざかり。
笹がささやく。
浴衣の衿をすべらせながら。
星に願いを。
☆
短冊を渡したら
○○レンジャーになりたいです、
と、書きやがった。
後日の楽しみに写真を撮って吊す。
☆
都会へ行った友達が
七夕だ、彼氏とデートだと話題を投げる。
バカめ、こっちは旧暦だから8月なんだ。
…もう忘れたか?
☆
流れ星。
メテオ。
デブリ。
ええと。宇宙のもくずになってしまいたい。
☆
天空を映して
水面に
こぼれる
きんぎんすなご
☆
すいかの提灯
重たげに抱えて得意満面
願い事は
ミミズが這うが如し
☆
たなばたのよる
せんせいがおそらのおはなしをした。
でも
わたしはあっちのあかいほしがいいな。
☆
もしも許されるなら
その腕の中で
ちいさなあくびと
おもいっきりノビをしたいデス。
☆
妙なる笛の音
螺旋を描き、空に溶ける
星は瞬き
願いは満ちる
☆
年に一度の逢瀬というなら
密かに秘めて。
他人様に見せびらかすものではありません。
だから、雲も雨も好きです。
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※小説ではないのですが、お題を借りました。