魔性の仔C-5
夜。
「ふう…」
仕事を終えた早紀は、わりと早い時刻に自宅に帰り着いた。
昼間の大崎との件もあり、彼女は同僚達の慰めも含めた食事に誘われ、ほろ酔い気分だ。
服を脱ぐ顔は思い出しで笑っている。
同僚の気遣いは有り難った。が、それ以上に刈谷とあの日以来に話せた事の方が嬉しかった。
「明日も早いから…」
早紀は下着姿で脱衣所に入り、すべてを取って風呂場に入っていった。
「ふう…ん…」
シャワーのコックをひねった。水の線が勢いよく若い裸体を濡らす。
心地よさを感じながら、ボディーソープを塗り込む早紀。
乳房を撫であげた時、疼くような感触が身体を駆け抜けた。
「ふう…んん…」
思い掛けない快感に戸惑う早紀。だが、思いとは逆に、身体はどんどん熱を帯ていく。
「う…あッ…うん…」
欲情の声はシャワーにかき消される。早紀は気持ちの良さに立っていられず、跪いて己れの乳房を揉みしだく。
「はああッ…ああッ!…」
早紀は頭の中で思い描いてた。あの日、刈谷と結ばれそうになった。
その叶わぬ思いを吐け口に。
「ああッ!い、イヤァ…あッ!」
乳房を揉んでいた手は、下半身へと移った。
「ふ…んあ…ッあ…」
乳房をまさぐる手が下へと降りていく。跪いた脚は自然と開き、尻を突き出す。
泡まみれの指先は腰骨辺りを伝い、内腿の奥に滑り込んで秘部に触れた。
「…ああッ、あッ…うッ、うッ…」
自らの襞を指で開き、むき出しになった肉芽をいじる早紀。
固く目を閉じ、眉根を寄せた顔は欲情に浸っている。
「あッ、あッ、ッつう…ん」
彼女は妄想の中で、刈谷の熱いペ〇スを受け入れて突き上げられる快楽を貪っていた。
「はあッ!ああッ!あッ!」
満たされない快感に耽り、思考が途切れる。昇り詰める瞬間、早紀は身体を震わせた。
「…はあ…あ…」
余韻とともに深まる自分への嫌悪感。──虚しさが心を包む。
「…辞めた…もう、辞めた…」
早紀は涙声で独り言を呟くと、スポンジを泡立てだした。