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エリザベス・悲劇の人形たち
【ファンタジー その他小説】

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エリザベス・ファイナル-2

 姉さんは言う。

「変えさせようとしても、それは無理だったんじゃないの?」

「どうして、無理何ですか?」

「美しくて、気品溢れて、且つ…プライド高くてワガママ。エリザベスは最初から、そう言った固定化されたイメージで作られた人形じゃないかしら? だから…
 こちらの方からいくら説得してもダメだと思うのよ」

「でもエリザベスは意思を持っているんだし…
 変えようと思えば…」

「いくら意思を持っていても、所詮は人形。
 私たち人間と違って、柔軟な考えや物事の良し悪しの判断が出来ない。 固定化された自分しか見えないから、本当の姿が分からない。
 多分、こうだと思うわネェ」

「なるほど…」

 固定化された概念で作られた人形だから…

 本当の自分が見えない、分からない。

 人形として生まれて来たエリザベスの悲しさかもしれない。



 そのエリザベス…エリザベーラは今、どこで何をされているのか?

 キディと共にどんな状態でいるのか?

 全く分からない。

 他の28体の子供人形たちの行方も分からない。

 全ては闇の中なのだ。



 ところで…

 虐待して始末したルルの事だけど…

 何と生きている事が分かった。

 シェリー姉さんがマルセル姉さんに電話で話したらしい。

 あの時、虐待して捨てて来たのは…

 人形工房で作られた精巧なダミーだったと言う。

 ルルをとても気に入ったルーシーが、本物とダミーを入れ替えていたらしい。

 本物のルルは今、シェリー姉さんの家で暮らしていると姉は言った。

「最初はエリザベスと離れ離れになって泣いていたらしいけど…
 今では、ルーシーや子供人形たちと打ち解けるようになったみたいよ」

 そっか…。




 騙されちゃった。




 でもまあ…



 イイんじゃない?




      完


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