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loop
【幼馴染 官能小説】

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loopV-4

「遥は目立たないからね。」

「いや、目立つだろー。俺、大学のカフェで1人でいるのよく見るよ。」

「ほんと、祐介は詳しいなぁ。」

あたしはなんだか言いようのない、暗澹たる気持ちになった。
祐介と由紀の会話も、まるで遠くの方に聞こえる。
目の前の、いつも楽しみにしていた鍋料理にも、急に食欲が失せてしまった。


「――睦月、どうかした?」


顔をあげると、怪訝そうにした2人の顔がそこにあった。
あたしは慌て取り繕う。

「お豆腐が予想以上に熱くって。」

取ってつけたようなセリフだけれど、そんなあたしに由紀はふわりと笑う。
とても優しく。

胸が締め付けられるようにきゅっとなり、嬉しいような、苦いようなそんな気分に、やっぱり苦しい気持ちになる。


気づいてはならない。
あたしは守らないといけないのだ。
この空気を。
一番にそれをのぞんでいるのは、あたしなのだから。





**************





『男と女の間に友情は存在するのか。』

そんな陳腐な質問はやめてほしいとつくづく思う。
祐介や由紀と三人でいると、否応なく聞かれるので、いつも困る。
あたしは『する』と思う。
現にあたし達三人は高校生の時からそうだったわけだし、そもそもそんな『するか、しないか』なんて極端な選択なんてないだろうと思う。

ただ、とあたしはそこで思う。

ただ、脆いのだ。
恐ろしいほどに、驚くべきことに、脆く簡単にそれは壊れてしまう。

由紀と祐介と三人でいる時、自分はなんてリラックスしていられるんだろうという事に、とても満足していたし、その空気を壊したくないことは、今でも願っていることだ。

ただちょっとした、ほんの会話の弾みで、それはグラグラと音を立てるかのように、急にバランスを崩してしまった。
ずっしりと、決して揺るぎないものだと思っていたのだけれど。


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