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やっぱすっきゃねん!
【スポーツ その他小説】

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やっぱすっきゃねん!VI-12

 夜。

 永井の元に一哉から連絡が入った。

「これは藤野のさん、昨日はありがとうございました」

 互いの挨拶もそこそこに、一哉は今日の出来事を伝える。

「達也の話では、今日のボール、良かったそうです」

 今日、行った仲間通しの練習で、ピッチャー達のボールを受けた達也の感想を永井に聞かせた。

「佳代はどうだったんです?」
「達也の話では、かなり戻ってるそうです」
「しかし、コーチが直接指導された方が近道なのでは?」

 監督としての永井の思い。が、一哉はその意見に異を唱える。

「私は佳代の能力に疑問を持ってません。アイツに足りないのは──自信と仲間への信頼─です。
 これは技術より大切なモノです。だから今日、急用を装って行かなかったんです」

 一哉は最初から練習に行くつもりはなかった。
 その前日に受けたボールで、技術レベルから教えることは無いと考えた。
 ならば、自分よりも仲間との練習を交わすことで、信頼を築かせるべきだと思ったのだ。

「だとすると、明日の試合は…」
「ええ、5人揃えて大丈夫でしょう」

 一哉の言葉に、明日の試合に臨む永井の気持ちは決まった。
 彼は慌ててデスクに置いた手帳を取ると、佳代の名前を書き込んだ。



…「やっぱすっきゃねん!?」?完…


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