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『堕胎』
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『堕胎』-3

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わたしは、おなかのなかで、おかあさんがわたしをころすのをまってる。


おそらにいたときに、てんしさまがおしえてくれたから。

わたしをうんでくれて、しあわせにしてくれるおかあさんを、えらぶことはできた。
けど、じぶんでもわかんないけど、わたしはうまれちゃいけないんだ。


くるしんで、くるしんで、くるしんで、しななくちゃいけない。

じゃないとゆるされない。


「ごめんね」


おなかをなでながら、おかあさんがつぶやくこえが、きこえた。

やさしい、おかあさん。


つぎはまちがっちゃだめだからね。


そうねがいながら、わたしはさいごのときをまつ。




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