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つぐみのからくり箱
【ファンタジー 官能小説】

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つぐみのからくり箱-1

それはある休日の昼下がりでした。


ただぼんやりとテレビを眺めていた私…

画面には視聴者が持ち込んだ骨董品なんかを関西弁の司会者が面白おかしく専門家に鑑定させるあの番組が映っていました。

一、十、百、千…二百万円。


[ あれ?お父さん
これと同じ物うちにもあったよね? ]

傍らで趣味の釣竿を手入れする父はちらっと画面を見て、ふんふんと…

まるで関心を示しませんでした。


[ ねえ、お父さんってば…
探してみようよ
二百万円の壺あるかも知れないよ ]

四年前に亡くなった祖父が残してくれた物といえば、この古い家屋といくつかの骨董品…

それから[ つぐみ ]という何だかよく分からない私の名前です。


趣味で集めた骨董品の、そのほとんどはまだ納屋に眠ったままでした。

[ つぐみ ]という何だかよく分からない素敵な名前をもらった私も…
まだ嫁にも行かずにお蔵入りしております。


[ ねえ、私が見つけたら私にくれる?
二百万円の壺… ]

[ ああ…やるとも ]

[ 本当にくれる? ]

[ 武士に二言はござらん… ]


父は刀のように釣竿を構えてケラケラと茶化したのでした。

私はさっそく小走りに納屋に向かい、埃にまみれました。

……ない。

[ あったか?二百万 ]

釣具を磨きながら父は楽しそうに私に尋ねました。

[ ううん…]

[ 親父の骨董趣味ってな…
縁日なんかで買ったガラクタばかりだぞ
二百万円の壺なんかあるわけがない… ]

父はまた愉快そうにケラケラ笑いました。


[ お父さんこれ何だろ? ]

私は納屋で見つけた奇妙な箱を父に見せました。

小さな木箱を紐解くと、またさらに奇妙な木箱…

[ うん、こりゃアレだ…
からくり箱だな ]

[ からくり…箱? ]

父はその箱を手にとって、あれこれといじりまわしていましたが…


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