ネコ系女 #4-7
【ネコ系女は意外と照れ屋】
自然とタマの手は離され、私たちは並んで歩き始めた。
私はただタマについていくだけ。
「ケーキ屋さん絶対喜ぶと思うんだ」
タマは自信ありげな笑みにどこに連れていかれるのかと思ったら、着いた先はネコカフェ。
「私、ネコカフェ初めて来た…」
「おっ、マジ!?ナイス選択、俺」
ノエルとももちゃんと一緒によく来るんだ。
タマは幸せそうに微笑む。
…出た、彼女"もも"。
とりあえず今はそこに突っ込まず、ふーんと流した。
あまり大きくはないピンクの建物な中には色んな種類のネコがいた。
ゴロンと床に転がるネコ。棚の上に寝そべるネコ。遊具を登るネコ。
足を踏み入れたとたん、数秒固まってしまう。
そして
「ぅっわぁ!カワイイ?!」
ついつい声を上げてしまった。だけど、そんなの気にしてられない。
見渡せば、綺麗で可愛いネコ達があちこちにいるのだ。
こんなに急激にテンションが上がったのは生まれて初めてだ。
「わぁ、この子フワフワァ。えっ、何!?この子は目の色違うっ。すっご!カッコイイー」
「ケーキ屋さんケーキ屋さん!見てみこの子。ジャーンッ」
タマが私の目の前に差し出したのは
「うわっ!キャハハハッ!ハゲじゃんハゲ!毛ぇ無ぁい!」
肌色したネコだった。肌色で所々ブチがある。
ぱっと見た感じは滑稽だけど、足は長いしスタイルはいいしでなかなかカッコイイ。
「スフィンクスっていうんだよ。高級ニャンコなんだからね」
「へぇ?、タマ物知りぃ。やんじゃん」
確かに気品が漂ってる、気がする。
私を見据える目がふてぶてしい、気がする。
「へへ、ま…ね」
私はスフィンクスに見とれてタマなんて気にしていなかった。
なので、私がタマに何気なく言ったその一言で、今までで一番目出度い顔になったことに気付かなかった。
【ネコ系女は大事な時に鈍感】
カフェを出て、お昼を食べに行こうということになった。
それほどお腹は空いていない(なんだか胸いっぱいだった)ので、安いハンバーガーショップへ。
テイクアウトして歩きながら食べた。
ちなみに、ここでもきっちり割り勘。(タマは、お金に関しては結婚するまで半端な馴れ合いはしないと決めているそうだ。)
「ここを真っ直ぐ言ってあっちに曲がるとペット用品のお店あるんだ。行っていい?ノエルの餌と首輪買いたいんだ」
いいよと頷く。
そこに行くまでの間私はソマリに似てるだとか、タマは三毛猫だとか、こないだの合コンメンバーの関係だとか、そういう話で盛り上がった。
お店でタマは、希望通り餌と首輪、ついでに私がセレクトしたリードを一本買っていた。