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ネコ系女
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ネコ系女 #4-2

【ネコ系女は海が好き】


これから本格的な夏が来るまで、このビキニに合うサンダルとアクセを買わなきゃ。
何たって海は浜辺が勝負なんだから。


【好きだけど陸限定】


そんな数ヶ月先の楽しみに想いを馳せる私の隣で、姫代は取り付かれたようにブツブツと何かを呟いていた。

「ビキニ…。買っちゃった…。夏なんか来なければいい…」

水着を買ってから姫代はひどく落ち込んでいる。ていうか、衰弱している。
闇背負ってんのかと思うくらいダメージ大なので

「ねぇ、どっかでちょっと喋らない?」

私は休憩を提案した。
ずーんと暗く落ち込んでいた姫代がパッと顔を上げた。

「うん!私、冷たい抹茶オレ飲みたい」

「うーん…じゃあ、あそこでいっか」

すぐ近くにあった、テラスのあるコーヒーショップで一休みすることにした。




私は冷たいカフェオレ、姫代は言っていた通りの抹茶オレ。
それとそれぞれお好みのケーキを買って、テラスの一番日の当たる明るい所に腰を降ろした。


【ネコ系女は日向ぼっこが好き】


姫代の近況を聞き出す。
この子は人のお節介はしたがるのに、自分の話しは全くしない。
だから、悩みとかも自分の中に閉じ込めてしまうのだ。
だけど聞かれたらそれなりに話してくれるので、私はよく「最近どうよ?」と話題を振る。
その結果、今日は面白いことが分かった。
姫代には気になる人がいるらしい。相手のことはあまり話してくれなかったが、結構仲が良いそうだ。
しかも向こうから言い寄って来ているそうだが、当の本人はそんな経験初めてで困惑してるとのこと。

「そんなん適当に遊んどけばいいじゃん」

「やだよ!悪い人じゃないんだもん…ていうか!そんなことよりタマさんの話しよ」

「…タマ。タマね」

タマ。
あの日から毎日お昼になると店に現れやがる。
昼休みなんだよね、と言ってシュークリームとケーキを買っていくのが日課になっていた。
明日も来るならあんたの持ってくるよ、と言っても明日は来れるか分からないと断る。
でも結局タマはまた来店する。


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