ネコ系女 #4-10
「あ、ノエル帰ってきた!おかえり」
タマが声を描けるとノエルはぴょんと私の膝の上に飛び乗った。
主人に似て急に馴れ馴れしくなったな。
私をちらりと見て、丸くなる。
あの時汚いと思ってから、ちゃんと見てないけど、良く見るとノエルの毛は青みがかったグレーで、ふわふわしていて綺麗だった。
丸いその背中を撫でると、滑らかで気持ちいい。
ネコカフェであんたと同じようなの見たぞ。確か、ロシアンブルーとかいう…。
「…あんた可愛いじゃん」
ぽつりと呟く。
膝から温かさが染みてきて、柔らかな感触が心地好くて頭も瞼も重くなってくる。
「お?」
こつんと私はタマの肩に頭をもたげた。
「…眠い」
悪いけど、肩貸して…
それは既に言葉になっていなかった。
「…朝希、寝ちゃっても良いよ」
私の頭が撫でられるのを感じた。
あのさタマ、今だけ"ももちゃん"の存在…忘れていい?
「うん」
あれ?何で私の心の声に返事したの?
一瞬疑問に思ったが、頭にモヤがかかっていて何も考えられない。触れられてる部分が気持ち良くて、私は潔く睡魔に負けることにした。
【ネコ系女は寝つきが良い】