Switch-4
「いてっ」
「いてっ。じゃねぇよ馬鹿泉ちゃんがさっきからお代わり頼んでんのにボーッとしてんなっ」
「あはは。恋君もう良いよ。遊ちゃん可哀相だから怒ったげないで
ボーッとは今に始まった事じゃないし」
ねっ?と俺を見ながら笑いかける彼女の顔は赤くなって目がトロンとしていた
「悪かったなボンヤリで。てかお前もう飲むなよ
顔赤いし喋り方もいつもより舌足りてねぇし」
「えーやだまだ飲みたい」
駄々っ子かよ。と突っ込むおれに恋さんがもう上がって良いぞと言った
「えっ?いいんすか?」
「泉ちゃん珍しく酔ってて眠そうだし閉店まで1時間ちょっとしかねぇからもう良いよ」
「どうも」
隠しもせず嬉しそうに返事する俺にったく。と悪態をつきながら恋さんは客のところに行ってしまった
エプロンを外し客に軽く挨拶をして帰るぞと言うと
「あーい」
と返事をしながら素直に着いて来た彼女に少し驚いた
いつもなら絶対まだ飲む。と言い出して駄々をこねて俺を上手に言いくるめる
(相当酔ってるな)
いつもと違う彼女に少しドキッとしながら手を繋いで外に出た
泉は半端なく酒が強い
だから酔った彼女を見るのは初めてだった。
「遊ちゃん外涼しくて気持ち良いねー」
そう話しながらも彼女の足元は少しふらついていて
俺は繋いだ手に少しだけ力を込める
「どんだけ飲んだ?」
「んーとね…
シャンパンは6本空いたけどイズ途中でシャンパン飽きたから白ワインも2本とシーバースも入れてもらって全部飲んだ」
「全部空になったのか?」
驚いて聞き返した俺にうん。美味しかったよー
と笑顔で答えられた。
(そんなけ飲んで吐きもしないてどんな体してんだよ)
はぁ…
とため息を着いたところで家に着いた。
鍵を開ける俺に後ろから抱き着きながら耳元で泉が甘え声でささやく
「一緒にお風呂入ろ」
「ん。」
内心ドキドキな俺はそれを隠して短い返事をした
酔っていつもと違う彼女とこれから過ごす時間に期待しながら…
夜はまだ長い