Switch-3
「おはよう」
特徴のあるハスキーで舌足らずな声で常連さんと恋さんに挨拶をした彼女が俺の彼女…
渡里 泉(わたりいずみ)21歳だ。
1つしか年が変わらないのに泉はもっと大人な感じだ。
大きなネコ目にアヒル口、口元にある小さなホクロがあり首を少し傾けながら上目使いに笑うのが癖
泉は俺の前に座ると上目使いに微笑みながらいつもの用に注文をした
「遊ちゃんもおはよう。ウィスキー多めでウィスキートニックちょーだい」
「イズ…今日酔ってる?」
「ちょっとだけね。今日のお客さんシャンパンしか飲まないから」
微笑えんでタバコに火を点けながら話す彼女の前にウィスキートニックを出す。
泉は売れっ子のラウンジ嬢だ。
元々仕事帰りに飲みに来ていたお客さんなのだが付き合ってからは帰りに俺の家に来る日だけ飲みに来るようになった。
「いっちゃんは相変わらずべっぴんさんだね」
常連さんが泉に声をかける
「ありがとー。でも褒めても何も出ないよ」
ケタケタと笑いながら軽くあしらう姿は何度見ても場慣れして落ち着いていて…俺を不安にさせる。
何で俺と付き合ってんだろ…
何回か本人に聞いた事もあるがその度に
「んー何でだろ?」
と悪戯っぽく笑いながら柔らかい唇で優しいキスをしてくる彼女にごまかされ続けて本心は聞けないままだ
(はぁ…俺情けな)
可愛いくせにエロい泉は性格的にはかなりのSだ。
俺もたいがいなSなはずだが泉には勝てない
いつも焦らして意地悪な事ばかりを言いながら俺を優しく気持ち良くする事を優先する泉のペースに持ってかれっぱなし
実はまともに愛撫すらさせてもらって無い
って言うかあまりちゃんと体に触ったこともない…
気持ちは良いけど触られてあえがされるのがSとしては嫌だからあまり触られたくないの
と最初にした時に言われていた
(んな事言われたら無理にも触れねぇし…)
嫌われたくなくて反抗できない情けない自分の事をボーッと考えていたら恋さんに頭を叩かれた。