Switch-2
メールを打ち終わり役目を終えた携帯をポケットに入れながらタバコに火をつけ煙を肺いっぱい吸い込んでは吐き出しながら家から歩いて10分程のバイト先まで歩く
静かでゆっくりしたバイト前のこの時間が俺は好きだ
友達に言うとおっさんかよ。と笑われたが彼女はよく分かる。とにっこり笑って同意してくれた
(俺ずっとあいつの事考えてんな…)
自分自身に呆れたとこで店に着いた
ShotBar?Play
人生はゲームみたいなもんだろ。とオーナーの恋さんは言っていた
「おはようございます」
夜でも挨拶はおはよう。
水商売特有の挨拶をしながら俺は店に入る
「はよう。お前いい加減6時出勤てギリギリじゃなく10分前には来れるようにしろよ」
入るなり恋さんに呆れたような口調でそう言われ笑いながら謝る
「すいません、寝起きはしばらくぼけっとしちゃうんすよ」
「何が寝起きは、だよ。遊はデカくて顔きついから分かりにくいだけでいつもぼけっとしてるじゃねぇか」
そうはっきり言われると返す言葉が無くて俺は笑ってしまった
細身だが183の長身にバスケで鍛えた硬くしなやかな筋肉が全身に綺麗に付き切れ長の二重と色素の薄い茶色の目がやたらきつい印象を与える
が…
性格はいたって温厚、はっきり言ってしまえばけっこうのんびり屋だ
いざ怒れば鬼のよう。らしいのだが元々人より相当気が長い方でほとんど怒る事も無いし売られなければ喧嘩もしない。
恋さんとたわいもない話をしながら準備をし店を開ける…
のんびりした時間が過ぎ午後9時をまわてぐらいに混み出してくる
10時11時と時間が過ぎ12時に入ると少し暇になる…いつもならそれまでに客にもらった酒でいい感じに酔ってる時間だが今日はやたら恋さんばかりが飲まされていたから珍しくシラフだった。
恋さんが飲みながら常連さんと話してるのに相槌をうちながら溜まったグラスを洗っていく…
そろそろか…と思った瞬間ドアベルの音がチリンと響きカツカツと軽い落ち着いたヒールの音と一緒に彼女が入って来た