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……タイッ!?
【学園物 官能小説】

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……タイッ!? 第二話「励ましてあげタイッ!?」-4

**――**

 ――あー疲れた……。
 部室の掃除にビデオのチェック。電算室にてその編集を終えた頃にはすでに部活も終わっていた。
 自宅にパソコンのある部員には動画を送信済みで、その他の人には明日の練習のときに見せれば良い。
 大会直前に行うべき練習なのかは別として、大分マネージャーらしくなってきたと自負しており、そのせいか多少の疲れも満足感を伴うものになっていた。
 あとは部室の戸締りをして鍵を返すだけ。肉体労働に向かない身体に鞭を打ち、紀夫は部室に向かった。

 まだ日は明るく、グラウンドではソフトボール部員の軽快なノック音が響き、ブラスバンド部の演奏が屋上から聞こえた。
 部室棟もほとんど明かりが無く、これから練習の始まるバスケ部員が戸締りをしながら出て行ったのが最後だろう。
 最近は男子部員の姿が見えないだけで妙な不安を覚えてしまうが、よくよく部員の動きを見ていると、一人で行動する人の方が少ないことがわかる。また、日によって男子部員が部活を早引けしていたりするので、特に気をつけるべきは悟だけであることもわかった。
 一対一なら抵抗ができる。時間も稼げるだろうし、集団心理というものが働かないだろう。それこそ両者合意の上でなければ破廉恥なことなど起こらない。
 ――平山先生と佐伯君の場合、やっぱり好き同士だとそういうことしちゃうのかな? あ、でも俺も理恵さんと……。
 公園での破廉恥な行為。今思い出しても何故あのように求めたのか恥ずかしくなる。
 ただ、素敵な感触だったのも事実。
 ――理恵さん、また……したい……かも。
「ん、んぅ……」
 ――うえ!
 淫らな妄想をしたせいか幻聴まで聞こえ出したのだろうか?
「はぁ……あぁ、先輩……いいっす……」
 今度は男子の声。聞き間違いではない。果たしてどこからだろうか?
 今しがた出て行ったバスケ部は置いといて、まずはチア部。
 誰もいない。
 ソフトボールは?
 男子部員がいないはず。
 水泳部かも?
 休部状態らしく、人気が無い。
 その他、どの部室にもそれらしい人影は見当たらない。

 つまり……、

 ――新部室から……。
 暗澹たる思いが胸に訪れる。
 自分は何のために部室申請をしたのか。結局悟に出し抜かれてしまうなんて。
 ――いや、まだ終りじゃない。今からだって助けられるし!
「失礼します!」
 決心してドアノブを回す。戸が閉まっていようが構わない。鍵は持っているのだ。
問題はこのことが大事にならないかどうか。
 もし被害に遭っている部員が騒ぎ出したら自分にそれを抑える術は無い。もちろん悪いのは加害者である男子部員だが、それでも里美の期待に応えることは出来ない。
 正直半々な状況……。
「んぷぅ……あふぅ……」
 薄暗い部室、テーブルに腰かけて背中を向けているのは悟だった。よく目を凝らすと、誰かが彼の股間の前で頭を前後させている。
「なんだ、マネージャーか。何しにきたんだ?」
「何って、お前こそ何してるんだ! ここは部室だぞ! とにかくその人を放せ!」
「おいおい、なに興奮してんだ? ああそうか、童貞には刺激が強すぎたか? これなあ、フェラチオっていうんだ? してもらったことないだろ?」
「な……! そんなことどうでもいいだろ! ここはそういう場所じゃないんだ!
今すぐやめろ!」
「そうかよ。まあいいさ。でもな、放せはねーな。だってこの人が咥えたくてしてるんだし」
「何いってんだ! そんなことあるわけ無いだろ!」
「……どうでもいいけど、マネージャー君、ドア閉めてくれない?」
「え!? あ、はい……」
 後手にドアをしめるも、彼は驚きを隠せない。
 三つ編みをかき上げる彼女の縁の無い眼鏡が光を反射し、そして再び顔を埋めていたのが印象的だった。


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