……タイッ!? 第二話「励ましてあげタイッ!?」-16
「まあいいわ。あとさ、最近紅葉先輩が疲れるのよね……」
「……なんですと!? ムガ、ムゴ……」
後輩の謀反に声を裏返らせる紅葉の唇を乱暴に手で塞いで凌ぐ。
「あはは、びっくりしたら変な声が出ちゃった……」
「あそ、……でね、なにかっていうとあたしと君をくっつけたがるんだもん」
心配をよそに里美はそこまで気に留めていないようだった。ただ、自分とカップリングされることを「うざがっている」のを聞くと、多少なり心に隙間風が吹く。
「君だって困るよね? 紅葉先輩に変なこと言われたりしてさ!」
「まあ、そうかな……なんつって……」
目下その先輩がすごい目付きをよこしており、板ばさみの構図を呈す。
「……へー、マネージャー君もそう言うんだ……それなら……」
「……だってしょうがないじゃないですか、励ましてっていったのは先輩じゃないですか」
「……君は上見てるの……」
機嫌を損ねたらしい紅葉はぴしゃりと言うと、彼の下半身に手を回し、ズボンを止めている結び目をしゅるしゅると……。
「先輩って変な趣味あるみたいだし、なんか付き合いづらいっていうか、やりにくいのよ……」
「ふーん、そうなんだ……あっ!」
「どうかした?」
「あ、いや、探してたものがあったから、つ……い、ね……」
「あそ……。それでね……あたしさあ……」
話を元に戻そうとする里美とは対照的に、紀夫はある種の刺激との戦いが始まっていた。
それは下半身に訪れる未知の刺激。
生暖かく、ざらざらとしていながら唾液でよく滑る舌の刺激。
それは紅葉の口腔内からだった。
「でね、最近も先輩ったらさ、あたしの胸とかお尻とかさ、大きいとかいって触ってくるの」
「へぇ……そうなんだ、それは困ったねぇ……んくぅ」
「気にしてるのよ? そりゃ大きいほうがカッコいいけど、形が変かもしれないし、なんかやなのよね……」
「いいじゃん、大きいんだし……あぁ」
「ちょっと、さっきから変な声だしてるけど、聞いてるの?」
「ううん、ごめん……あの、ちょっと細かい作業してるから、声が、あぁ、でちゃうんだ。変なクセだよね……あははぁ……」
笑い声に誤魔化す喘ぎ声。何時里美に気付かれるかとひやひやしながらも、紀夫は下半身へイタズラする紅葉を止めようとしなかった。
サオを丹念に舐める紅葉は慣れた様子であり、彼女に裏筋を舌でツツツとなぞられると紀夫の神経に冷たく甘美な電流が走る。
「ねえ、やっぱり君も大きいのが好きなの? 綾みたいにスタイル良い方が好み?」
「えぇ……、それはやっぱり……、好きだな。女の人って感じするし……あくぅ」
紅葉は容赦なく責め立ててきており、紀夫はその処理に戸惑っていた。
理恵との初体験を終えた彼は、最近自己処理で満足できずにいた。
歪な形状の膣腔の割りに滑らかな腰の前後運動。柔らかい膣襞による締め付けを求め激しく彼女のお尻に打ち付けた、乱雑な行為。流されるままの自分が能動的に、かつ攻撃的に求めたハジメテを越える自慰など無かった。
今与えられている刺激は口淫による緩い締め付けとねちっこい舐りあげ。サオを何度も擽られ、さらに雁首とその裏側を唇でハミハミされると緩い快感が湧いてくる。
「そっか……ふぅん、そうかもね。うんうん」
「そうだよ、イイコトだよ……あ、あぁん、ふふぅ」
壁に両手を着いて見下ろす。半分開いたイタズラっぽい目が合うと、心の中でカチッと火花が放たれる。