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電波天使と毒舌巫女の不可思議事件簿
【ファンタジー その他小説】

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電波天使と毒舌巫女の不可思議事件簿 ―堕胎編―-2

 プクトの予想通り、雨が降ってきた。まるで滝が落ちてきたかのような集中豪雨は、傘も意味を為さない。
 それでも美由貴は買い物に出かけた。雨の感触も、美由貴は面白いから、外出を厭う理由にならない。
 そして、再会した。

「ミュリエル様」

「…………」
 一回目は無視した。
「ミュリエル様、特位のお二人からの使いの者です。どうか、お返事をお願いします」
「――――」
 三人の特位天使の内、二人からの使い。
 天界で最高峰の位に位置するもの二人からの使いからとなると、流石に無視しては、“美由貴”にとって、困ることになる。
「……何か?」
 だから、“美由貴”は“ミュリエル”として、――上位天使の五人と向き合う。
 人間界に、上位天使が五人も来る。あり得ないほどの、異常事態だった。
「“彼等”の一味の内の二名を捕えました……尋問を、お願いしたいと」
「この、私が? その必要性がある、と?」
「特位のお二人はそう判断されたようです。判断理由までは、聞かされておりません」
「……」
 ミュリエルは表情を変えない。
 それが上位天使達に、さざ波のような感情を引き起こす。
 ――畏怖、そして恐怖。
「どこにいるのです?」
「ご案内致します……失礼、位相空間を移動しますので」
 空間が、たわんだ。
 景色に変化はない。しかし、次元がずれ、天使が人間界の物に触れられることは、ない。
 天使達は歩き出す。
 雨は降っているのに、雨は身体に当たってくれない。


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