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MY ROOM
【青春 恋愛小説】

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MY ROOM -spring 葛藤--1

‥好きだ。オレ、君のことが好きだよ。誰にも盗られたくない。

「おはよっ!」

遠くから元気な声が聞こえた。彼女の名前は星野楓。はい、付き合ってます。
学校は違うけれど毎朝、一緒に通っている。

「‥お、おはよ。」
「ねぇ、昨日のドラマ観た?すごかったよね。」

低血圧で朝は苦手なんです。でも、彼女に会えることがなによりも嬉しかった。テンションが低いオレに、一生懸命話し掛けてくる彼女。一度もウザったいなんて思ったことなんてないよ。君がそばにいるだけで、心の中が満たされる気がした。

電車に乗って30分。彼女と一緒にいると、時間があっという間に過ぎてしまう。もっと一緒に居たい。心の中で何回も思った。
「じゃ、またね。今夜電話するから!」
「うぃーす。」

情けない声に楓は
「元気出しなさいよ!」
「は、はい!行ってきます!」
オレの学校は電車を乗り換えて5分ほどのところにある。だから、彼女とはここでお別れ。
オレは駆け足で隣りの電車に乗り込んだ。すると発車寸前、彼女がドアのところにやってくる。

『ん?何やってんだアイツ。忘れ物か?』

なにやら口をパクパクしてる。
‥何て言ってんだ?えーっと、す、す、‥好き。‥‥。‥あいつ‥。

今度はちゃんと返事したよ。
「アリガト。」

オレの口を読み取った彼女は満面の笑みを浮かべて、ホームの階段をのぼっていった。

‥かわいい。一ヶ月前もこの笑顔にやられた。オレの頭の中は、楓のことでいっぱいだった。生まれて初めて恋というものを知った‥生まれて初めてキスをした‥。何もかもが初体験だったんだ。


「よっ!不破ちゃん!」
彼女との別れを惜しんでいるところに陽気な声が邪魔をした。

「な、なんだ高村か。びっくりさせるなよ!で、なんか用?」

「予習のノート見せて。お願い!」
‥またか。。こいつはクラスメイトの高村隼人。高1の頃はよく1位の座を争ったが、2年になってから落ちた。今や下の下。原因は謎だ。

「あー悪い。昨日疲れて寝ちゃったんだ。」
寝ちゃったというのは嘘で、ホントは楓と電話してたんだけど‥。

「えー残念。でも、不破ちゃんどうしたの?予習とか毎日やってたじゃんよぉ。何かあったん?」

「‥別に。」

「そっか、まぁイイや。んじゃ、学校でね。」

自分でも分かっていた。楓と付き合うようになってから、勉強に集中できなくなっていった。楓の愛くるしい笑顔が頭から離れないんだ。恋愛と勉強を両立するのは難しいとしみじみ感じた。
恋か、勉強‥。
彼女のことは好きだよ。でも今まで築き上げてきた功績はどうなるんだろう?頭がパンクしそうだ。


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